第5章 日常②。
案の定、からかわれた影山くんは顔を真っ赤にして反論した。
「なっ、ボゲェ月島!なわけねーだろ!」
「さぁ?人なんて案外わかんないものだよ」
『ちょっと月島くん、何気に人を変態扱いしないでくれる?』
「み、みんな落ち着いてよっ!」
「「『山口/山口くんうるさい』」」
「えぇっ!」
なんとかなだめようとする山口くんを一蹴する。こうなってくると、収拾がつかない。
『二人とも、ハモらないでよ!』
「かぶせてきたのはそっちデショ」
「お前らだろ!元はと言えば、月島が突っ掛かってきたんじゃねーか!」
「僕は事実を言ったんだケド?」
『あのね、私は覗きじゃないから』
「動じてなかったし、常習犯とか?」
『だから、人を変態扱いしないでってば!』
「はっ、いい気味だな」
「アカリー、いけいけ!」
「「日向は黙れ」」
『翔ちゃん静かにしてて』
途中で翔ちゃんが口を挟んできたけど、私たちはやっぱり一蹴して、口喧嘩はますますヒートアップする。
『だいたい、影山くんがへんな反応したからこうなったんでしょう!?』
「はっ、なんで俺なんだよ!」
「流石王様。責任は庶民にあるってこと?」
「なんでそうなるんだよ!」
「三人とも、落ち着いて…」
「「『山口/山口くんうるさい』」」
山口くんの制止も聞かずに延々と繰り返される口論。次から次へと責任をなすりつけていた私たちは、気づかなかったんだ。
大地さんがすごい形相でいることに…
「お~ま~え~ら~な~…」
「「『うっ…』」」
三人そろって叱られたのは当然の結果だけど、そこに山口くんも入れられていたのはなんだかかわいそうで、申し訳なかった。