• テキストサイズ

烏と猫と梟と。《ハイキュー!!》

第4章 インターハイ予選。



その後の二時間もぼけーっとして過ごしていたみたいで、気づけばお昼休みだった。

「ツッキー、お昼食べよー!」

「山口うるさい」

「ゴメン、ツッキー!」

いつもの光景を、やっぱりぼけーっとして見ていたら、誰かにトントンと肩を叩かれた。振り向くとニヤニヤ笑うユキちゃんだった。

ユキちゃんは数少ない女の子の友達で、いっつも私のことを気にかけてくれている。茶色に染められた髪は、性格をそっくりうつしたように明るい。今日の髪型は編み込みのポニーテール。

「アカリ~、君はだぁれを見ているのかなぁ?山口くん?それとも…月島くん!?」

『なっ///違うから!二人はそういうんじゃなくてっ!』

「えぇー、ますます怪しいんだけどっ」

『もういいから!それより、ほらっお昼!』

尚も訊いてくるユキちゃんをなんとかごまかして、いつもの屋上に行った。


「今日のお弁当なぁに?」

『昨日の晩ご飯の炊き込みご飯が余ってたから、それ。あとは卵焼きとかタコさんウィンナーとか…』

「毎回思うんだけどさ、細かいよねぇ、アカリのお弁当って。コンビニパンの私とは差があるよ」

『兄さんがお弁当だからね、まとめて作った方が楽なんだよ。一人分作るのって意外と面倒なんだよ~』

「うおぉぉぉ…せ、台詞が眩しい…」

『はぁ?何してるのさ』

目を両手で覆ってオーバーアクションをとるユキちゃんがおかしくて、クスリと笑った。屋上への階段を登りながらお弁当雑談をしていると、ユキちゃんがあっ!と叫んだ。

「飲み物買ってくるから先行っててぇ~!」

登ってきた階段をパタパタ降りていくユキちゃん。

『転ばないでね…って、あ…』

「イテッ!」

言ったそばから段差につまづくユキちゃん。無事に屋上まで戻ってこれるか、少し心配になった。

仕方がないので一人で屋上に行くと、そこには先客がいた。

『大地さん、スガさん、旭さん!』

「ん?」

「おっ、朱里ちゃん!」

手摺にもたれていた三人は、私に気づくと手を振ってくれた。


    
/ 286ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp