第4章 インターハイ予選。
翌日。たいして動いてもいないのに、なぜか筋肉痛の体を引きずって学校へ。
もし、あのとき烏野が勝ってたら
今頃、私は観客席にいたんだろうか?
だめだめ!こんなこと考えてちゃ。みんなの方が悔しい気持ちは大きいんだろうな。
『はぁ~…』
私は今日三度目のため息を吐いた。そうは言っても気になるもので、今頃仙台市体育館にて行われている決勝戦のことばかり頭に浮かんでくる。そのせいで、授業中もどこか上の空だった。
「……た…おい…なた、日向ァ!」
『えっ、は、ハイ!』
誰かに呼ばれたと思えば、教科担任の先生だった。先生は呆れたように言った。
「日向、今何の授業だ?」
『数学…ですよ…ね?』
「じゃあそれは何だ!」
『え?』
先生が指差した所、私の机の上にはペンケースとノートと教科書…うん?
『あ。違ってた…』
教科書、は一応出てるけど、違ってた。
これ、現国の教科書だし!
「あのなぁ、日向やる気あるのか?」
『うんと…無い…わけではありません』
しっかりしろよ、と先生が言ったとき、ちょうど授業の終わりのチャイムが鳴った。誰かの笑い声が聞こえた気がして隣を見ると、月島くんがプスーと笑ってた。
笑われてるし。しかもプスーって何よ!私は恨めしそうな視線を月島くんに送り、四度目のため息を吐いた。