第4章 インターハイ予選。

同点になったところで、青城が二回目のタイムアウト。その後田中先輩のサーブから始まった。

決まるまで

もういっかい！

そう叫びながらブロードにブロックにコートを走り回る翔ちゃんが眩しかった。

「もういっかああい！！」

もう一度跳ぼうとした翔ちゃんの体勢が突然崩れた。カクンッ、とタイミングか合わなくなって、影山くんももうトスを上げた後だったから修正のしようがない。

その瞬間、翔ちゃんは見たんだ。

自分に上がった、トスを。

目の前に飛んできた、ボールを。

『スゴい…トスを見たっ！』

この土壇場に来て、成長を見せてくれる翔ちゃんには、本当にびっくり。一気に獲るぞと士気を上げる烏野。青城も、負けてたまるかと切り替えてくる。

そしてここに来て徹さんのサーブ。まるで兵器のようなそのサーブはラインを越えてアウトになった。まさかのミスで、烏野がマッチポイントに。

でもその直後、岩泉さんがブロックをぶち抜いて、またしてもデュース。

『うぅ～…心臓に悪いよぉ…』

はらはらドキドキしっぱなしの心臓は、いつもの二倍速で脈を打っている。けど、それはみんなも一緒。

『烏野っ、いっけえぇぇぇ！！』

そこからは点の取り合いだった。旭さんが決めれば、国見くんもスパイク。岩泉さんが打てば、西谷先輩が拾って、月島くんがチョンって落として。

気づけば、とうとう30点台まできていた。