第4章 インターハイ予選。
試合も終わりが近付いてきて、今のスコアは青城21-烏野19。なんとかブレイクを決めて追い付きたいところ。
『打点下がってるなぁ…辛そうだし…サーブはいいかなぁ…あっ!』
ポツリと呟きながら、シャーペンをノートに走らせて、文字を書いていく。3セット目も終盤。流石に疲れが出てきたみたいで、細かいミスが目立つようになってきた。
旭さんの打点も低くなってるし、影山くんのトスの精度も下がってる気がする。
西谷先輩のフォローで田中先輩がスパイクするも、ブロックで跳ね返ってくる。それを田中先輩が脚を咄嗟に出し、意地で上げた。すかさず翔ちゃんが滑り込んでなんとか返球して烏野に得点。
そして迎えた青城のマッチポイント。ここでブレイクをしないと負けてしまう。
『お願い…お願い…っ!』
旭さんのバックアタックで23点目。
あと1点、負けてたまるか、そう思うのは烏野も青城も同じ。
金田一くんのスパイクを田中先輩が殆ど体当たりで上げる。でも、ネットに近くて徹さんに叩き落とされそうになってしまう。
一秒が長く感じられたその瞬間、いつの間に跳んでいたのか、影山くんが片手でトスをした。その先には、翔ちゃんが。
『やった、デュースだ…っ!』
同点に追い付いた。
さあ、勝負はここからだ!