第1章 プロローグ。
月島くんは私を一瞥すると、屋上から去っていった。山口くんはふぅーっと息を吐いた。
「日向さん何かごめんね…いつもあんな感じだし、ツッキーはいい人だから!そこは誤解しないで…」
『そう…私の方こそごめんね。山口くんの友だちなのに月島くんの悪口何か言って』
私が謝ると山口くんはぶんぶんと頭を横に振った。そして、フニャリと笑った。
「じゃあ…戻ろうか?」
『うん!』
私と山口くんは午後の授業を受けるために教室に戻った。
そして放課後。
鞄に教科書などをしまいながら山口くんと話す月島くんの表情を窺っても何を考えているのかわからなかった。
昼休みの後から一言も口を利いていない。明日もこれが続くのかと思うとこれまた困る。
若干不本意ではあるけど謝ろうかな…
そう思った私は勇気を出して月島くんに声をかけてみた。
『あのっ、月島くん…』
まさに教室から出ようとしていた月島くんは怪訝そうな顔で振り向いた。
「何、部活行きたいんだケド?」
『その…昼休みはあんなこと言っちゃってごめんなさいっ!二人のこと何も知らないのに知ったような口利いて…』
「別に気にしてないから」
そう言った月島くんは本当に気にしてなさそうで少しホッとした。
『あのね、もうイッコあるんだけど…』
「何?」
『バレー部ってどこで部活やってるのっ?』
想定外の質問に二人とも顔を見合わせた。
「部活は第二体育館だけど…日向さんも一緒にいく?」
『いいの!?』
「うん。ねえ、ツッキー?」
「俺はどっちでもいい」
「じゃあ決まり!」
こうして私と月島くんと山口くんは第二体育館に向かうことになりました。
―再開まで
あともう少し