第4章 インターハイ予選。
翔ちゃんがスパイクして、青根さんに止められたかと思ったら、ミスで、烏野に得点。
『やった、マッチポイント!』
「あと一点っ!」
道宮先輩と顔を見合わせて頷いた。
いける、勝てる、大丈夫。
ローテーションが回って旭さんが前衛に。後衛に下がった翔ちゃんが痛恨のサーブミス。すいませんすいません!とペコペコ頭を下げる翔ちゃん。きっと本人が一番悔しい。
伊達工に得点が入ったので、デュースの可能性も出てきた。このセットはなんとしても獲らなければ。勢い付いた伊達工に3セット目まで獲られるのは…
ドクンドクンと脈を打つ私の鼓動、今まで生きてきた中で一番速い。
月島くんの打った球が伊達工のリベロに拾われて返球、烏野にチャンスボール。旭さんが打つも、ブロックで戻ってくる。体勢を整えて、もう一度。
「「「もう一回!」」」
コートで翔ちゃんと西谷先輩とスガさんが叫ぶ。何度でも、何度でも、決まるまで。
青根さんと旭さんの押し合いになり、ボールは烏野のコートへ…誰もがダメだと思ったとき、西谷先輩が脚を出した。
フワリっ
上がったボールをトス。そして旭さんの渾身のスパイク!
ズドッ…!
スパイクは伊達工のブロックを破り、トンっとコートに落ちた。
『~ぃやったあぁぁぁあっ!!!』
試合、終了。
1セット目 烏野25-19伊達工
2セット目 烏野25-22伊達工
二回戦勝者、烏野高校