第4章 インターハイ予選。
1セット目の様子をノートに纏めておく。こうすれば、次の試合の時に役立つかもしれないから。スパイクの成功率、攻撃のパターン等を事細かに書いていると、ホイッスルが鳴り、2セット目が始まった。
『あれっ?』
フォーメーションが変わってる!
時計回りに二つずらしたフォーメーション。きっと翔ちゃんと青根さんがマッチアップするのをなるべく避けるためだろう。その分月島くんが青根さんと対面するのが多くなっているが、問題ないだろう。
試合はどんどん進み、烏野17-伊達工16の時。旭さんのスパイクがブロックに止められた。悔しそうな旭さんに私まで悔しくなってしまう。とうとう追い付かれてしまった。
二口さんのサーブを大地さんがレシーブ。旭さんがスパイクするものの、青根さんのワンタッチで伊達工のチャンスボールに。そして青根さんがスパイク。
お願い、止めて!
旭さんと月島くんが跳び、何とかブロック。烏野に得点が入り、またまたリード。ここで青根さんが後衛に下がり、翔ちゃんが上がってきた。
そこからは点取り合戦だった。翔ちゃんがスパイクを決めれば、伊達工も決める。一進一退の攻防が続き、伊達工のブロックが"囮"につられた隙に旭さんがスパイクを決めて、烏野23-伊達工20に。
あと少し、あと少し!
私たちは息をするのも忘れて試合に見いっていた。