第4章 インターハイ予選。
初戦を終え、大きく貼り出されたトーナメント表を確認する。初戦を突破した烏野高校、その2回戦の相手は因縁の伊達工業高校だった。
『やっぱり次は伊達工なのね…』
「気にすることないって、どんなブロックも俺がぶち抜く!」
肩を落とす私を翔ちゃんが太陽みたいな笑顔で励ましてくれた。それに何だか頬が緩みきって、ニヤついてるようにも見える。
ふと、耳に周りからの声が聞こえてきた。
「烏野10番見たかよ!」
「すごかったな、あれ。どうなってんだよ」
「いや、本当にすげぇのはセッターだって」
ああ、なるほど、納得。
どうやら初戦の常波戦を見ていた人たちからの感想が翔ちゃんをニヤつかせているらしい。ここまで噂されて嬉しいのだろう。
西谷先輩と田中先輩はニヤニヤしながら、スガさんは微笑ましそうに翔ちゃんを見守っている。今大会のダークホースとして、烏野高校は確実に警戒されているようだ。
私はコートに急ぐ翔ちゃんたちと別れ、足早に観客席に向かった。