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烏と猫と梟と。《ハイキュー!!》

第4章 インターハイ予選。



この人は急に何を言い出すんだ。岩泉さんも開いた口が塞がらない。青城の人も驚きすぎて何も言えない。

『…及川さん、一応訊きますけど、今何て仰りましたか。私の聞き間違いでなければ青城への勧誘と受け取ることが出来たのですが』

「だから、ウチ来ないって言ったよ?」

やっぱり聞き違いじゃなあぁぁぁあい!!!
何なの、何なんだよこの人は!!!

いきなり隣に座って馴れ馴れしく話し掛けてきたかと思えば、今度は青城に来いだと!?

落ち着け、落ち着くんだ私。このままだと相手の思う壺だ(どうだか知んないけどきっとそう)。

深呼吸をしたり、掌に人って文字を3回書いて口に当ててみたり、色々すると、段々と呼吸が整ってきた。いつからか知らないけど及川さんの手が私の背中を擦ってくれていた。そんなことするくらいなら爆弾発言止めて下さい。

一応、返事はするべき…だよね?

及川さんに向き合って私は口を開いた。

『残念ですがお断りさせて頂きますね。私は今の烏野が"飛ぶ"ところを見たいんです。翔ちゃんを、みんなを、傍で支えていたいんです。烏野は私にとって…何というか、居場所…みたいなものなんです。だから…』

ごめんなさい、と私は頭を下げた。及川さんには申し訳ないが、これが本心だ。偽ることなど出来ない。

「なーんだ」

聞こえた及川さんの声は拍子抜けするくらいに軽いものだった。顔を上げると口を尖らせる及川さんがいた。


      
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