第1章 プロローグ。
ホームルームの後、私は職員室に呼び出された。呼び出し、というと何か悪いことでもしたみたいだが、決してそういうわけではない。担任の先生に教科書や資料を貰いに行ったのだ。
ちなみに私は1年4組になった。嬉々として発表した先生に私は曖昧に笑うしかなかった。
考えてもみてほしい。知り合いもいないこの状況で喜んだり悲しむ人が果たしているだろうか?いるとしたら相当な変わり者だろう。
だいぶ話が逸れてしまったが教科書の山を両手に抱えた私は職員室を後にした。
『失礼しました~…って重っ!』
これ…重たい、とても重たい!教科書は何故こんなにも分厚く重たいのだろうか?使う方の身にもなってほしい。
これでもバレーをやってたから力に自信はあったのに…何かヘコむ。
どうにか教室までは辿り着いたんだけど、今度は両手が塞がってるからドアを開けられない。
ここは足で開けるべき?
いやいや、それは女子としてどうよ。
行儀悪いでしょ。
ドアの前であれこれ考えていると後ろから声をかけられた。
「君、何してんの?ドアの真ん前に突っ立ってるとさ、開けらんないんだケド?」
慌てて振り向くと、優に180㎝はあるだろう高身長の金髪メガネ君がいた。体中から不機嫌そうなオーラが出ている。
『あっ…ゴメンナサイ…』
謝るとメガネ君はドアを開けて教室へ入っていった。そのドアを開けたままにしてくれたのは、彼なりの気遣いだったりするのだろうか?
ともかく、教室に無事入れた私は自分の席に大量の教科書類を置き、一息ついた。