第15章 夏休み合宿~最終日~。
そして烏野は宮城へ変える時間に。バスに乗り込む部員たちは、みんな名残惜しそう。
かく言う私も、とても名残惜しかったり。
元気いっぱいの翔ちゃんとリエーフに木兎さん。各校の主将たち(ヘイヘイ言ってる木兎さんを除く)は1週間のお礼や、次の合宿で会おうな、と挨拶を交わす。
潔子さんと荷物を積み、それを終わらせてからマネさんたちと最後のお話。
「1週間ありがとう。またね」
『次は烏野、もっと頑張りますからね!』
「またね~」
「元気でね!」
手を振り、マイクロバスに乗り込む潔子さん。そのあとを追おうとすると、後ろから誰かに手を引かれた。
「おいおい、俺へのお別れねーの?」
『あれ、クロ。大地さんたちと話してたんじゃないの?京治さんも』
そこにいたのはクロと京治さん。
「しばらく会えねーからな」
『だね。次の合宿は春高予選の後かな』
…となると、次に会えるのは8月の終わり頃になるかな。今生の別れ、ってわけじゃないのに、しばらく会えないと思うと、胸がきゅうっとなって、寂しかった。
私の顔が曇るのを察したのか、クロがまた髪をくしゃくしゃにした。
「んな顔すんなよ」
「笑ってる方が可愛いですよ」
『うん、ありがとう。またね!』
そう言って2人に手を振って、今度こそバスに乗り込んだ。蛍くんの隣には山口くんが座っていたので、潔子さんの隣に。窓から顔を出せば、みんなが手を振っていた。
「予選負けるなよー!」
「そっちこそなー!」
「勝ってこいよな!」
「ったりめーだ!」
そんな言葉を交わし、お互いの健闘を称え合う。まずは宮城での一字予選、それを越えなければ代表決定戦には出れない。それはどの高校も同じ。
『クロ、研磨、またねー!』
「バイバイ」
「じゃーなー、返事待ってっぞー!」
『はーい!』
笑顔で手を振り、手を振られ。こうして、1週間の合宿は幕を閉じたのでした。