第15章 夏休み合宿~最終日~。
田中先輩が落ち着いたので、それとなくみんなの周りをうろうろしてみた。お肉や野菜の追加をしたり、ついでに一口貰ったり。
そして遭遇、巨人たち。
『で、でかっ…』
旭さんのいる塊は、正に巨人の密林。大きいしがたいも良いから、見上げるだけで何かスゴいオーラを感じる。
『あのぉ、お肉、要りますか?』
「お、サンキュ」
スガさん曰く"ひげちょこ"で、潔子さん曰く"お豆腐メンタル"な旭さんは、私のために場所を少し開けてくれた。こわもてな顔がふにゃりとほぐれる。かわいい←
お肉を網の上に乗せると、じゅわわ~っという美味しそうな効果音か聞こえる。たくさん食べてくださいね、とみんなに伝え、またうろうろする。
そして発見、研磨と蛍くん。それから隣に山口くんも。
『けーいくん、けーんま、食べないの?』
「ん、今コンボしてるから…」
「別に、もう食べたし」
携帯ゲーム機に釘付けの研磨は、指を上下左右に世話しなく動かしている。蛍くんもお腹いっぱいなのか、近くに置かれた紙皿にはまだ野菜が残っていた。
するとそこへやって来たのは大地さん。その後ろにはクロの姿もあった。
「月島ぁ、もっと食べなさいよ!」
「いえ、けっこうです…」
「研磨もだこらぁぁあ!」
「やだ」
「肉を食え、肉を食えー!」
そこへ木兎さんが肉肉言いながら乱入。
『うん、退散するね』
すすす、と一歩下がってぎゃーすかぴーすか騒ぐ主将たちを見詰める。すると、後ろには夜久さんと海さん、それからリエーフ。それを見て苦笑しながら夜久さんが呟いた。
「親戚のおじさんと嫌がる現代っ子か」
『おじさんって…』
「ツッキーモヤシみたいだもんな!」
『蛍くーん、リエーフが悪口言ってるー』
「告げ口か!?肉もらいだ!」
『あ、ちょっとぉ!』
いじけたリエーフは私のお皿から肉をかっさらっていった。そして、海さんはにこやかにリエーフに告げた。
「リエーフ、明日の基礎練、倍にするか」
「なんで!?」
「『っしゃ!』」
夜久さんとハイタッチ。リエーフはそんなぁ!と叫ぶ。賑やかで楽しいね、BBQって!