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烏と猫と梟と。《ハイキュー!!》

第15章 夏休み合宿~最終日~。



…が、試合を終えたみんなに言葉を掛ける間も無くマネさんたちに連れていかれた。

そう、みんな大好きBBQの準備です。

片っ端からピーマンを切り、玉ねぎを切って肉を用意した。力仕事はお暇な方々にお任せするとして(田中先輩は頼んだら喜んで引き受けてくれた)、私は潔子さんとお皿や飲み物の用意をした。

簡易テーブルに紙皿とコップ、その隣に作っておいた麦茶をセッティング。そうこうしているうちにぞろぞろと選手たちが集まってきた。

お皿と箸を片手に構えるその姿は、エサに飢えた肉食獣さながら。

「「「いただきまーす!!!」」」

そしてそれを合図に肉に群がるみなさん。あっちこっちで繰り広げられる"食べ頃のお肉"の争奪戦。

「朱里ちゃん、こっちこっち」

『はーい、今行きまーす!』

潔子さんに呼ばれ、お肉と野菜をさっととりマネさんたちの元へと駆け寄る。もぐもぐ食べながら、それぞれに合宿を振り替える。

「も、もひふほっへひへ~」

『雪絵さん、分かんないです…』

「んとね、お肉取ってきて?」

「あんたね、そんくらい自分でやんなさい」

雪絵さんをぺちっと叩くかおりさん。えへへと笑う雪絵さんは、口いっぱいにお肉を頬張っている。

『よ、よく食べるんですね…』

「大食いなのよ、この子」

かおりさんは苦笑い。クスリと笑みが溢れる。それからは各校の選手や合宿でのことをたくさん話した。

『木兎さんってスゴいですね。なんか"エース"って感じがします!』

「そうかな?そっちのエースもスゴいよ」

「うちのエースはメンタル弱いけどね」

潔子さんの容赦無い指摘に、きゃっきゃと笑いが上がる。東峰さんは確かにお豆腐メンタルの持ち主ですね←

その時、後ろから異様なオーラ。ぞわりと背筋が粟立つ。なんだろう、この視線。

そろりと後ろを見れば、田中先輩と西谷先輩。なんだ、お化けじゃなかった。ひらりと手を振ると、直後に田中先輩はブシャーっと鼻血を噴き出した。

『きゃー、田中先輩!?』

「龍ー、しっかりしろーッ!?」

『ティッシュ、タオルと水ー!』

今日も暑いし、熱中症かな?そう思って潔子さんにそのことを伝えると、関わっちゃダメよ、と言われた。何故に?


    
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