第15章 夏休み合宿~最終日~。
監督たちのオゴリでバーベキュー。
その言葉を聞いた瞬間、田中先輩と西谷先輩、それと翔ちゃんの目の色が変わった。
「「「BBQ−ッ!!?」」」
うひょーっ!と叫ぶと、謎の躍りを踊り出した三人。
「「「お肉肉肉お肉肉!合わせて肉肉お肉肉!お肉万歳元気百倍フゥッフゥーッ」」」
シュッシュポッポーと手を電車みたいにさせている。通りがかった梟谷の選手も、びっくりしている。
『なんか、すいません…』
「いや、元気で何より…」
ハハハ、と乾いた笑いを漏らす。
お肉神様ー!と浮かれる選手達へ若干呆れつつも、士気を高めることを言ってくれる烏養コーチ。
「…結局ペナルティ三昧の合宿だけど、最初の遠征から比べたら何かしら変わってるはずだ。ここらで一発気持ち良く勝ってウマイ肉を食おうぜ」
「「「「「「アッス!!!」」」」」」
この合宿中一番のおへんじ、いただきました。
そんなわけで最終戦、梟谷VS烏野。いつものスターティングオーダーで。キリッとした表情のままヨダレ垂らしている大地さんと旭さんが目に入る。なんだか可笑しくて笑った。
お肉に元気百倍なのは翔ちゃん、飛雄くん、田中先輩と西谷先輩の四人だけじゃなかったのね。一人平静な蛍くんが未だかつてない困り顔だよ…
『最後の最後、絶対勝ってね!』
エールを送ると、翔ちゃんはニカッとブイサインを返してくれた。
今、最後のしあいが始まる―――