• テキストサイズ

烏と猫と梟と。《ハイキュー!!》

第14章 夏休み合宿~五日目~。



「なんで他の男と手、繋いでるの?」

『わっ、私はまだ蛍くんのものじゃない!』

「まだ?」

『今のは言葉のあやです!』

慌てて反論する私を、真っ赤な顔で言われてもね、と蛍くんは笑った。

「こらツッキー、近いぞー」

「ああ、黒尾さんいたんですか?」

「最初に三人でって言ってただろ!」

「そうでしたっけ?」

二人が熾烈な争いをしている間に、私は避難。京治さんの背中の後ろに、こっそりと隠れた。

「今のうちに逃げますか?」

『そうしたいけど…』

「アカリ、どこ行く気?」

『クロがそうさせてくれない!』

涙目で訴えると、京治さんは諦めましょうと苦笑いした。

蛍くんも来たので、四人で輪になるように座った。私の右はクロ、左は京治さん、正面には蛍くんが座っている。

重々しい雰囲気の中、クロが口を開いた。どうしよう、すぐにでも立ち去りたい。嫌な予感がすると私の本能が告げているのだよ!

「…アカリは俺ら三人、全員に告白されてるんだよな?」

『…ハイ』

「誰にするか決まったのか?」

『…イイエ』

「じゃ、誰が一番彼氏の位置に近い?」

『…アイドンノー』

「真面目に答えろ」

『だって…』

クロが怖い声を出した。私は下唇を尖らせて、言った。

『だって分かんないんだもん。誰が好きなのかなんて、分かんないもん』

駄々っ子みたいなセリフに、みんなが目を丸くした。

だって、本当に分かんないんだもん!


   
/ 286ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp