第14章 夏休み合宿~五日目~。
クロは真面目な顔になって言った。
「"ゴミ捨て場の決戦"ってやつをさ、なんとか実現したいんだよね。ウチの監督の念願だし、けど監督はあとどんぐらい現役でいられるかわかんねーしさ…」
クロの口から出てきたのは、意外な言葉だった。そんなことを思って、練習していたなんて。
『…でも猫又監督、あと十年は現役に居そうだよ?だって今日も呑みに行っ…』
「話の腰を折るなよ、アカリッ!」
真面目な顔で言うと、思いっきりどつかれた。だって事実じゃーん。 ガシガシと頭を掻いてから、クロは言葉を続けた。
「まあ、それにはお前らにも勝ち上がってきて貰わなきゃなんねーだろ?」
「そうデスカ」
「いやツッキー!?訊いといて冷たい!」
『ナイス蛍くん♪』
ニッと蛍くんと笑い合うと、二人の頭の上からチョップが降ってきた。いったいなぁ…
「そこ三人ー試合しよーぜー!」
なかなか話が終わらない私たちに痺れを切らしたのか、木兎さんが叫ぶ。ハイハイと二つ返事を返し、二人はコートに向かった。