第14章 夏休み合宿~五日目~。
合宿五日目。今夜はついに最後の自主練習となった。というのも、烏野勢ははるばる宮城から来てるので、早くに森然を発たなければならない。東京の音駒や梟谷のように夜まで残るわけにはいかないのだ。
そんなわけで、必然的にこのメンバーで集まるのは、今夜が最後になる。
そう思うと、今練習しているこの瞬間がずっと、永遠に続けばいいのにとすら思えてきた。
目を輝かせてボールを追う翔ちゃんやリエーフ、木兎さん。的確な指示を出す京治さんにクロ。そして、その指示に従う蛍くん。みんな、こんなにも生き生きとしている。
「ツッキー、ナイスワンチ!」
「チャンボ、木兎さん!」
「ブロック二、枚ッ!」
ズドッと派手な音をたてて、木兎さんのスパイクが床に突き刺さった。何回見ても、このスパイクの威力には驚かされる。
「スパイカーと1対1の時は、利き腕の正面でブロックするといいぞー」
クロの助言に、蛍くんがおずおずと訊ねた。
「あの…一応…僕ら試合になったら敵同士ですよね。どうしてアドバイスまでしてくれるんですか?」
「ボクが親切なのはいつものことです」
裏のありそうな笑みでクロ。蛍くんはいつものように冷たい目線。そして、翔ちゃんまでもが氷のような目線…
「おい!」
『珍しすぎて、逆にコワイ…』
「その辺三人、失礼だろ!」
ご最もです♪