第13章 夏休み合宿~四日目~。
木兎さんの手持ちが七枚から一気に十五枚まで増えた。そして、引いたカードの中から黒のdraw4を出した。
『うっわ、最悪っ』
「ふはははは!さぁ朱里よ、赤だ!」
『赤ですね、はい』
私が出したのは、赤のスキップと青のスキップ。赤いのを下にしたからいいよね。京治さんと海さんとクロを飛ばす。次は大地さん。
「おお、一気に来たな」
大地さんは青と緑の9を出した。…と、スガさんがう~んと悩んだ後、すっごい真剣な顔で訊いてきた。
「朱里、6ってひっくり返したら9だから出してもいいと思うべ?」
『え、それダメじゃないですか?』
「スガ、それはダメだぞ」
えーダメかー!とスガさんが頭を抱えた。仕方なく山札から一枚。それでも無かったようで、結局四枚引いていた。
「ヘイヘイヘーイ!やっと減るぜ!」
スガさんが出した赤の9の上に、赤と青と黄色の2を三枚まとめて出した。
『木兎さん、一番上の青にしてください』
「んー、いいぞー」
「「「えっ!?」」」
『やったネ♪』
木兎さんはあっさり代えてくれた。
「木兎、お前バカなのか、バカなんだな!」
「なんてこと言うんだ、黒尾!」
「そんなことじゃこのちんちくりんの思う壺じゃねーかよ!」
『ちんちくりん!?訂正してよっ!』
机に手をついて反論するクロ。自分が仕出かしたことの重大さに気が付いたのか、木兎さんがあっ!と手の中のカードを落とした。
「しまったあぁぁぁあ!!!」
『あー、木兎さんdraw2持ってるー』
「木兎さん手札、落ちてます!」
「ぎゃははは、ざまーみろー!」
「今見たやつ誰だ!?」
「…動物園みたいだ」
そんなこんなで、一回戦は手札を見られた木兎さんが負けましたとさ。