第12章 夏休み合宿~三日目~。
『なんでなんでなんでなんでえぇぇぇ!』
「いや、ちょっ、あの、朱里さんっ」
京治さんのTシャツの襟を両手で掴んでがっくんがっくんと揺さぶる。
『言わないでよおぉぉぉ…!』
「お、落ち着いて、くださっ」
ものすごいい勢いだから、京治さんは片言になっている。それを見て爆笑するクロ。
「ぎゃっははは、やべー、傑作!」
「黒尾ー、止めないの?」
「ん?木兎が行けば?」
「やだ。あかーし面白いし」
『けーいーじーさーんー!』
「すみっませんって、でも、言わなっいのはフェアじゃな、いっていう、か…」
京治さんが辛そうだったので手を放した。
うー、と下から見上げると、京治さんは困ったような顔をした。
「ほら、そんな顔しないで。可愛いのが台無しだから。ね?」
『…もう余計なこと言わないで』
「キスのこと?」
『いっ、一々言わないでっ///』
からかうように言ってくる京治さん。肩をぽかぽか叩いた。
「すげー、あかーし楽しそうなんだけど」
「珍しいんじゃねーの?」
「俺も混ざりたい!」
「木兎さんはやめといた方がいいんじゃないですか?二人から拒絶されるのがオチですよ」
「ツッキー!?」
「木兎うけるっ!あっははは!」
後ろがうるさい…