第11章 夏休み合宿~二日目~。
ホワイトボードに各校の試合数や勝ち負けなどを書き込みながら、私はほぅっとため息を吐いた。
『烏野は昨日は全敗だったんだもんなぁ…』
やはり群を抜いた力を持っているのは、全国でも五本の指に入る木兎さんを擁する梟谷学園だった。この午前中はノーペナルティで連戦連勝の快進撃。
森然と生川もパワーと攻撃力のあるチームで、お手伝い中の音駒は安定のキープ力。
「アカリーっ次の試合だぞー!」
『はぁい、リエーフ、今行くよ~』
物思いに耽っていると、リエーフが声を掛けてきた。キュッとホワイトボードに音駒の試合数を一足して、コートに向かった。
ピーッと笛が鳴り、呆気なく勝敗は決まった。音駒25-烏野15、ううん、差は歴然。
「アカリチャン、ドリンクおくれ」
『はいはい、普通に言ってね、クロくん』
「…タオル」
『研磨はもう少し主張しよっか、うん』
「ノド渇いた~!あづい~!」
『あっ、リエーフ!一気飲みダメダメ!』
ぐびぐびと喉を鳴らして飲むリエーフを、注意する。一気に冷たいもの飲むと、お腹壊しちゃうかもしれないからね。そんな私を見て、クロはげらげら笑った。
「アカリっ、母さんみてえ」
『失礼なっ!音駒の母は夜久さんでしょ!』
「え、俺!?」
まさかの飛び火←
夜久さん、巻き込んじゃってごめんなさい。