第11章 夏休み合宿~二日目~。
5校のバレー部員たちがアップを始めた真夏の第一体育館は、早朝とはいえ既に暑い。日中の地獄を予感させるその熱に、朱里は額を手で押さえた。
『なんか…今日も暑くなりそう』
合宿中の東京の天気予報は、清々しいまでに晴れ、晴れ、晴れ。むしろ、晴れしかないんじゃないかって程太陽マークが輝いていた。
そして、みんなの目も同じく輝いている。
今日のローテーションは、烏野がサポートから。音駒のみんなと話していると、大地さんが部員たちに指示を出す姿が目に映った。
「うい、よそ見しーない」
『いて、クロ、ノート返して』
「へぇー、相変わらずやるな。大変だろ」
私の手から取ったノートをパラパラとめくりながら、クロが言った。音駒用にも何冊かのノートを用意してある。今回は一週間なので特別版、三冊も持ってきた。
『うん。だってね、みんなには上手になってほしいからさ!』
にぃっと私が笑うとクロは若干頬を染めた。
「お前、不意打ち反則な///」
『何が?』
(こいつっ、無自覚かよ…こえぇ…)
きょとんとして首を傾げる朱里に、クロは内心おののいたとか。