第10章 夏休み合宿~一日目~。
また3対3でもやるか!と木兎さんが言い出し、そんな雰囲気が流れる。
『私また入ろうか?』
「いや、代わりにイイ人めっけた」
ニヤリと不敵に笑うクロの目線の先には、蛍くんが歩いていた。ちょうど第三体育館の前を通り過ぎるところ。
「そこのー、烏野のー眼鏡くん、ちょっとブロック跳んでくんない?」
クロがそう声を掛けると、蛍くんはけろりとして言った。
「あ、僕もう上がるので。失礼しまーす」
さらりと断ってスルーしようとする蛍くんを、クロが餌でつった。
「こいつ全国でも五本の指に入るくらいのスパイカーだから、練習になると思うよ」
「ふふんっ」
自慢気に腰に手を当てる木兎さん。
「でもギリギリ三本は無理ですかね?」
「ドンマイ!」
「落とすなら上げないでください!」
赤葦さん、き、厳しい。
「それに君、MBならもうちょっとブロック跳んだ方がいいんじゃないの?」
ヘラリと笑って挑発するクロに、蛍くんはムカチンという顔をした。うわぁ、なんか手口がやらしい。クロって将来おれおれ詐欺とかやりそうなんだけど←
「そこまで言うならやりましょうか」
乗り気になった蛍くんに、おおっと喜ぶ単細胞が二人←
蛍くん、なんか珍しく挑発に乗ってるや。しまった、スマホ置いてきちゃった!動画にして撮っておくんだった←
そして、ネットを挟んで赤葦さんと木兎さん、クロとリエーフと蛍くんが対峙する。
『じゃあ、私一応こっちにいるね~』
そう言って木兎さん側にちょこんとお邪魔した。さて、どうなるのかな~?