• テキストサイズ

烏と猫と梟と。《ハイキュー!!》

第10章 夏休み合宿~一日目~。



そして、日が暮れる頃には、烏野は全員死にかけていた(嘘)。

「見事全敗」

「いっそ清々しいな…」

ぐったりと床に突っ伏した大地さんとスガさんがぼやいた。そう、烏野は全敗。

ちなみに、試合に負けたときのペナルティは、"森然限定、さわやか裏山深緑坂道ダッシュ"。足下が悪く勾配の急な山道を頂上まで走り、戻ってくる。平地を走るのに比べて遥かに体力を消耗するのだ。

そんなわけで、ぐったりしているのですよ。

でも、そんな疲れをものともせずに、自主練に向かう。タオルの後片付けをしながら、みんなの動きを見ていた。シンクロ攻撃の研究をしたり、サーブの練習など、残る人がほとんどのようだ。

そんな中で、蛍くんただ一人が体育館から出ようとしていた。

『けーいくーん!』

「…何?」

怠そうに振り返った蛍くんに、私は思いきって訊いてみた。

『蛍くんは練習、しないの?』

すると、蛍くんは何言ってるの、とでも言いたげな顔で、私を突き放した。

「練習なんて嫌って程やってるじゃん。ガムシャラにやればいいってモンじゃないでしょ」

『…あ、そうだ、ね』

くるりと踵を返して去る蛍くんを、引き留めることは出来なかった。

って、しまった!

クロにサポーターとってって言われてたんだ!

なにタオル片付けてるんだよ!

ひゃ~怒られるぅ!とか思いつつ、ぽいっと放り投げられたのであろうクロのサポーターを手に、第三体育館に向かった。


       
/ 286ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp