第9章 夏休み合宿~出発~。
さて、宿題でもやろうかなと机に向かおうとすると、またもやスマホがぴろりん♪と鳴った。今度は誰だよっ!?
と、画面を見ると翔ちゃんからだった。
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
To:日向朱里
From:日向翔陽
件名:
烏養コーチのじいちゃんに会ったよ!
烏養元監督って人らしい。なんか、烏野が全国に行ったときの監督だったって!
おれは誰とでもファーストテンポができるように練習する!
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
は、ふぁーすとてんぽ?
ファストフード、じゃなくて?
気になったので、直接電話で翔ちゃんに訊くと、速攻の種類のことだった。烏養元監督はスパイクを三種類に分けているらしい。
。
サードテンポは高いトスに、スパイカーが余裕をもってた助走で合わせる。
。 。
セカンドテンポはトスが上がるのと同時にスパイカーが助走を始める。
そして、ファーストテンポはスパイカーが先に助走に入り、そこにトスを上げる。
。
つまり、スパイカーにトスを合わせる。
なるほど、それで誰とでもファーストテンポか。どんなトスでもスパイクを打てるような対応力をつけるためだろう。空中を戦うのは影山くんじゃなくて、翔ちゃんなのだから。
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
To:日向翔陽
From:日向朱里
件名:Re:
烏養元監督に会ったの!?うらやましいなぁ
誰とでもファーストテンポね、ファイト!
影山くんも新しいこと始めるみたいだよ
二人の速攻が完成するの、楽しみにしてる
練習に熱心なのはいいんだけど、熱中症にはならないでね~ヽ(・∀・)ノ
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー
今度こそメールが送られたのを確認して、画面を切った。
二人の新速攻が完成しますように。