第7章 トーキョー遠征。
『な、なっなっ何するんっ///』
「えーだって煽ったのはアカリだろ?」
顔を真っ赤にして額を押さえる私をリエーフが笑い飛ばした。
「あっは、顔真っ赤~」
『うううるさい!』
ゴスッと脛を蹴ると、イタイッ!と片足でぴょんぴょん跳ねた。
「おいリエーフ!てめぇ何してる!」
「レシーブ練習10倍だからな!」
「クロさん!夜久さん!ヒドイっすよぉ!」
結局最後はこうなるのね。最後くらい大人しくしようよ、と思ったけど、笑って賑やかに別れる方が、私たちらしいのかもしれない。
ちょうどバスに乗り込もうとした翔ちゃんを、リエーフが挑発した。
「次も止めてやる!」
むっ、とした翔ちゃんも、言い返した。
「負けねーし!」
この二人、なんだかんだでいいライバルになるかもしれない。
最後までわーわーしながら、私たちの週末合宿は幕を閉じたのでした…
が、問題が一つ。
バスの中、なんだけど…
隣に座る蛍くんのオーラが怖いよ!?
私何かしましたっけ!?
ちらりと見ると、何?と冷たく言って窓の外に視線を移しちゃうし。
『ねぇ、蛍くん…私何かしたかな?』
意を決して訊ねると、蛍くんは私を見ながらキュッと口角を上げた。
「ふぅん、自覚ないんだ、アレ」
え、アレ…って何?
『え、何、なんのこと?』
「ハァ…」
ため息を吐いた蛍くんは、ぐっと私との距離を詰めた。
「こういうこと」
そして、ちゅう、と私のほっぺに蛍くんの唇が吸い付いた。