第7章 トーキョー遠征。
そして、烏野が帰る時間になった。
名残惜し気にバスに乗り込む部員たち。大地さんとスガさんは各主将たちに、挨拶をしていた。
『じゃあね、クロ、研磨。木兎さんと赤葦さんも、お元気で』
「おう、またな」
「アカリも元気でね」
「また3対3やろーなー!」
「最後までスミマセン…」
バイバイと手を振りながらも、赤葦さんはやっぱり謝っていた。
荷物を持ってバスに乗ろうとすると、後ろから声が聞こえた。
「アカリーッ!!!」
『あ、リエーフ!』
立ち止まって振り向くと、リエーフが猛ダッシュで駆け寄ってきた。
「俺に何も言わずに帰ろうとしただろー!」
『ごめんごめん、見つかんなかったから』
「こんなに背え高いのに?」
『えーっと…』
自分の背の高さを手で示したリエーフに、目を逸らすと、ぶはっと笑われた。
「いーよ、アカリ俺を見つけられなくても、俺が絶対見つけるし」
『リエーフ…』
嬉しいような、悲しいような。そんな気持ちになって、口をつぐんだ。俯いた私をリエーフは両手でぎゅうっと抱きしめてきた。
『えっ、ちょ、リエーフ///』
「うー、アカリに会えないとか寂しい」
『うん、私も…だから、放して///』
リエーフの胸を両手でぽかぽか叩くと、ようやく手の力が弛められた。
『また会えるから、今度は夏休み』
「うん」
『カッコいいとこ、たくさん見せて?』
悪戯っ子見たいに上目遣いで見ると、リエーフはニヤリと口許に弧を浮かべた。
そして、私のおでこにちゅ…と唇を付けた。