第7章 トーキョー遠征。
二日目になったところで、今回の合宿に参加している高校の特徴をノートにまとめておこう。
まずは、東京の梟谷学園高校。
四つの高校を纏める梟谷グループの中心となる私立高校。とにかく強くて、全国を相手に戦う大エース、木兎光太郎さんがいる。木兎さんは全国でも五本の指に入るのだとか。
同じく東京の音駒高校。
安定したレシーブ力のある高校で、リベロが二人いることからもその事が窺える。ただ、欠点といえば、突出した攻撃力がない。パワー型のスパイカーがいないこと。だからリエーフの存在が鍵になると思う。
次に、神奈川の生川高校。
サーブこそ攻め!と言うだけあって、練習のラストには、毎回100本のサーブをするらしい。そういえば、烏養コーチが前に、サーブはチームプレーのバレーにおいて、唯一の個人プレーだとかなんとか言ってた。
そして、埼玉の森然高校。
コンビネーションが抜群の高校で、レシーブが決まると同時に全員が走り出したときは、ビックリした。
ノートにまとめつつ、今の試合を観戦。音駒が今はフリーなので、審判やら得点板やらをやっている。
烏野の試合に目を遣ると、翔ちゃんが成田先輩とチェンジされたところだった。昨日のことからか、烏養コーチも影山くんの感覚を一旦忘れさせようとしているのかもしれない。
悔しそうに俯く翔ちゃんを見ていられなくて、私は手元のノートに視線を落とした。