第7章 トーキョー遠征。
そして、翌朝。
昨日の夜は日付が変わる頃まで話し込んでいたので、頭がぼーっとする。のろのろと着替えて顔を洗うと、ようやく覚醒。
「オハヨーアカリ!」
『翔ちゃんおはよう。早いね』
「朝練朝練!」
『そっかー、じゃあ私も行こうかな』
部屋を出たところで、翔ちゃんに遭遇。体育館で朝練をするみたいなので、私もそれに付き合うことにした。
昨日使っていた体育館に向かうと、そこには既にネットやボールが用意されていた。
『あれ、誰かいるのかな?』
「おー、チビちゃんとアカリか」
『クロおはよう』
「音駒の主将ッ!」
さっ、と身構えた翔ちゃんに、私はクスリと笑った。
「安心しろよ、捕って食わねーから」
『クロならやりかねないかな…』
「フォローしろよ、フォローを」
いつも通りのやり取りをしていると、朝にはそぐわない元気な声が、体育館に響いた。
「ヘイヘイヘーイ!って、俺が一番乗りじゃないのか…」
「残念だったな、木兎」
「木兎さん、朝からうるさいッスよ」
現れたのは梟谷の二人、エースで主将の木兎さんと、セッターで副主将の赤葦さんだった。木兎さんは私と翔ちゃんに気づくと、おおっ、と指を差した。
「烏野のチビちゃんとマネージャー!」
『初めまして、日向朱里です。昨日は挨拶する時間がなくて…』
「日向翔陽、1年です!」
「敬語じゃなくていいゼ!」
「それより二人とも名字が同じ…?」
お、赤葦さん鋭い。私たちがいとこだということを告げると、木兎さんは首を傾げた。
「似て…ないな、うん!」
『似てると言われたことはほとんどないですね。性格もあまり似てないですよ~』
「紛らわしいので朱里さんで…」
『あ、赤葦さんそれで大丈夫です』
なんとなくお互いに自己紹介をして、練習をすることに。そこにリエーフが合流した。
「3対3やりてーけど、人足んねえな…」
『あー、私入ろっか?』
「「「「「えっ!?」」」」」
私の提案に、みんなが驚いた。バレーをやっていたことを手短に話すと、リエーフがヨッシャー!と叫んだ。
「んじゃ、やりますか!」
クロがにぃっと笑った。何か企んでる顔だなぁ…