第7章 トーキョー遠征。
音駒のみんなが寝泊まりする部屋の前に到着。部屋の中からは、賑やかな笑い声が絶え間なく聞こえてくる。
『もしもーし、入ってもいい?』
「その声…アカリ?」
「アカリだーっ!」
クロとリエーフの声が聞こえ、バンッと音がしたかと思うとドアが開かれ、高校1年生離れした、長躯のリエーフが満面の笑みで現れた。
「会いたかったーアカリ!」
『はいはい、私も会いたかった。これ、嘘じゃなくて本当。リエーフに用があって』
「えー、俺じゃねーの?」
『う~ん…クロとか研磨とか、夜久さんとか海さんと話したかったのもあるけど。本命はリエーフだからね』
クロたちに会いたかった、それは本当。でもリエーフに訊きたいことがあったんだよね。
夜久さんがおいでと手招きしてくれたので、ありがたくお部屋にお邪魔する。最初からそのつもりだったんだけどね←
部屋の中はさすが男子と言うべきか、まあ見事にごっちゃごちゃ。脱ぎ散らかした服やら敷きっぱなしの布団で、足の踏み場なんてありゃしない。
仕方なく誰かの布団の上に座ると、後ろから誰かの気配。私は振り向く間もなく、その人物の足の間に、すっぽりと収まってしまった。
『リエーフー、動けないよー』
「ダイジョブ!動きたかったら俺が抱っこして運ぶから!」
そういうことじゃないんだけどなぁ…クロの視線が刺さる気がする。痛い、痛いから。
それよりも、訊きたいことがたくさんあったんだ。持ってきたノートの新しいページを開いて、クロにシャーペンを借りた。
『リエーフに訊きたいことがあるんだけど、質問とかしてもいい?』
「もちろん!え、彼女?今はいないよー、アカリがなってくれたら俺嬉しいなー」
『リエーフ、そうじゃない』
「じゃあ何ー?」
不思議そうな声をするリエーフを振り返って、私はにっこり笑った。
『身長、体重、好物、その他諸々!』
キョトンと目を点にするリエーフに、私とクロが笑いだしたのは、言うまでもない。