第1章 プロローグ。
先輩らしき人のもとへ翔ちゃんが走り寄る。翔ちゃんにシッポがあったとしたら間違いなくフルスピードで振られているだろう。
「ノヤさん、レシーブ教えてください!」
「おう日向!それは良いけど…女子がいる!しかもかわいい!清子さんと違った感じがまたかわいい!」
「それは俺も気になっていた!」
「あっ、紹介します!」
クルリと振り向いた翔ちゃんに腕を引かれて私は二人の前に立った。近くに来て分かったことだが坊主さんの方はそうでもないが、ノヤさん?は私よりも小さかった。
リベロ…とかかな?
「俺のいとこのアカリです!マネージャー希望です!」
『えと、初めまして。翔ちゃんのいとこの日向朱里です、はい。あの、僭越ながらマネージャーをやらせていただきたく存じます。なので、不束者ですがよろしくお願い致します!』
緊張して口調がだいぶ変になってしまったが伝えたいことは伝わったでしょ!
ポカンとしていた二人だったが、顔を見合わせて頷くと目を輝かせてこっちを見てきた。
「日向ってさっき挨拶してたヤツか!そうかそうかウチのマネやってくれるか!」
そう言うと"ノヤさん"は私の頭をわっしゃわっしゃと乱暴に撫でた。
キランッと効果音が付きそうな決め顔で二人は自己紹介してくれた。
「俺は西谷夕、2年のリベロ、よろしく!」
「田中龍之介!ウィングスパイカーだ!…しっかし日向ばっかりずりーぞ、こんなかわいいいとこだなんて!」
『西谷先輩に田中先輩ですね。よろしくお願いします!』
ペコリと頭を下げるとふたりはまたまた顔を見合わせて頷くと目を輝かせていた。
これ、デジャヴュ?