第1章 プロローグ。
『月島くんはレシーブが課題。あと、身長を生かしたブロックが良いかも。これは私の知り合いの受け売りなんだけど、ブロックは高さよりもタイミングが大切なんだって。そこを意識すると良いね』
「ふーん…アリガト」
素っ気ない返事だったけど月島くんらしいから、まぁいっか。
『最後は山口くん。山口くんも背が高いんだからブロックふぁいとー!要領はさっきの月島くんと同じだから。あとは何か目立つ武器が欲しいね…』
「目立つ武器…」
『これからゆっくり探していこっか!』
不安そうな山口くんだったけど、前向きな言葉に少し安心しているようだった。にっこり笑うと屋上の時みたいにフニャリと笑った。
もう少しアドバイス等を話していたかったけど翔ちゃんにサーブの練習をせがまれたのでボールを片手に立ち上がった。
『よし!じゃあ先輩方が来るまで自主練!』
うぇーい!と気の抜けた返事をし各々がボールを手に課題の練習に取り組んだ。影山くんがサーブを打ち、それを月島くんと山口くんが拾うレシーブ練習をする。効率良く出来そうだ。
『翔ちゃん、まずサーブはね…』
翔ちゃんに説明を始めようとした時だった。
「おー!やってるやってる」
「今日もやるぞー!って…どちらさん?」
声のしたドアの方を振り向くと、坊主頭の人と髪をワックスでツンツンにして前髪だけを茶色に染めた―アッシュだっけ、メッシュだっけ?―の人がいた。
「ノヤさん!田中さん!」
翔ちゃんの呼び方からすると先輩のようだ。