第7章 トーキョー遠征。
お昼を食べたらまた試合、試合、試合!ドリンクは作っても作ってもすぐ在庫がなくなるし、タオルも洗濯機を回しっぱなし。
夕方になる頃には、流石の私もすっかりヘトヘトになっていた。
そんな私より、もっとヘトヘトなのが烏野のみんな。今日は負け続きで、しかもペナルティとして、体育館をフライングで一周しなくてはいけない。
ぐったりと床に倒れるみんな。試合も翔ちゃんと影山くんがいない分、大変なようだった。
「お前ら、次の試合するぞー…」
「「「「「うぇーい…」」」」」
いつもはうるさい声も、覇気がない。慣れない暑さから、疲労もたまってくる頃。大丈夫かな、と心配になったとき、体育館のドアが大きく開かれた。
「上出来♪」
そこには金髪ショートの派手な美人。そして後ろから現れたのは…
『翔ちゃんっ影山くんっ!!』
赤点補習の二人だった。水を得た魚のように一気にわきたつみんなに、私も笑顔がこぼれた。
『よかった…』
「お、チビちゃんの登場ですか」
「翔陽はなんで遅かったの?」
『…テストの補習でした』
「ふぅん、翔陽バカだったんだ…」
『研磨…もうちょっと優しく…』
研磨の言葉も知らず、練習に間に合った二人は意気揚々とコートに立つ。その後ろ姿は、なんだかとても誇らしく見えた。