第7章 トーキョー遠征。
ブロロロ…と響く重低音を出しながら、バスは高速を南下中。あんまり寝てないせいか、規則正しい振動にすぐに睡魔がやって来た。
「朱里、眠たかったら寝ろよ?」
『……ハッ、スガさん、すみません…』
寝不足かな、と目をごしごし擦った。それでも襲い来る睡魔という魔物には敵うはずもなく、私は意識を手放した。
【菅原 side】
スヤスヤと寝息をたて始めた朱里は、愛らしい顔をしていた。
こうしてみると、とても整った顔をしている。そういえば、この前会ったお兄さん、青司さん?も美形だった。
ふるふると揺れるまつげは長いし、吐息が漏れる唇はほんのりとピンクに染まっている。そして、見える肌全てが白い。
って、俺は何考えてるんだよ!
くるりと後ろを振り返ると、大地も旭もみんな寝ていた。そりゃそうか、夜中だし。
バスがカーブを通ると、ガタンと車内が揺れた。その弾みに朱里がコテンと俺に寄りかかってきた。
わー、今スゲーラッキー!
俺の肩に頭を預けて眠る朱里は、やっぱりかわいかった。
そして俺も、いつの間にか眠りに落ちていた。お互いに寄り添うように寝ていたのは、後で知ることになるが。そして、野郎共にジト目で見られたのは言うまでもない。