第1章 プロローグ。
それから10分程度ミニゲームをやったところで、みんなの息が少し上がってきた。
そろそろかな?
『オッケー、一回休憩しよっか~!』
「「「「ウッス!」」」」
一度体育館の端に集まってもらって、今見たミニゲームの感想を話した。
『翔ちゃんは色々伸びそうだね。…まずはそのへなちょこレシーブ何とかしよっか』
「ハイッ、アカリせんせぇーっ!」
炎を背にうおぉぉぉ!と燃える翔ちゃんに私は苦笑いした。見た感じだと、翔ちゃんは技術的にはまだまだ。でもスタミナとバネの力がすごい。そこを基点にしていけばグンと強くなりそう。
『それから影山くん。小学生の頃からやってるし流石だったんだけど…スパイカーのことちゃんと信頼できてる?』
「えっ…」
『これは私の勘だけど、翔ちゃんと影山くんって多分コンビ組んでるよね?翔ちゃんは影山くんのトスが上がるのを待ってるからその期待に応えてあげて。お願い』
「ウッス…出来るように努力…は、する」
若干頼りない答えだったけど、影山くんはきっと過去に何かあったんだと思う。だから今はこれで十分。
頑張れ、と励ます気持ちも込めてニッと歯を見せて笑うと影山くんもぎこちなく笑い返してくれた。