第6章 恐怖の期末テスト。
「一つ目はね、お弁当作ってきて」
『お弁当?』
なんだ、そんなことかぁ。お弁当なんていつもつくってるもんね。っていうか、頼んでくれたら普通に作ってあげたのに。
「パンよりご飯がいい。あと、デザートもつけてよね、フルーツがいいや」
…注文が多い方でいらっしゃる。
『はいはい。で、二つ目は?』
「僕のこと名前で呼んで」
『はーい。って、名前で?』
なんだ、そんなことかいな。普通に呼んでって言ってくれれば呼ぶのに。
『えっと…蛍くん…でいいの?』
「"くん"なくてもいいよ」
たどたどしく疑問形で言うと、訂正をされた注文が多い!
『…蛍』
「っ///よくできました」
渋々名前を呼ぶと、月島くんは手で口許を覆ってフイッと顔を逸らせた。
『どうしたのー蛍ー?』
「ねぇ、朱里それわざとなワケ?」
『いやー、新鮮な響きだなぁって』
蛍、蛍。蛍って音が綺麗だよね。
"ホタル"って読み間違えられて困るとか言ってたけど、私は結構好き。淡い光な感じが月島くんの髪色にあってるしね。
『月島くんはどうだか知らないけど、私は好きだよ?』
「「「「「はっ!?」」」」」
「なっ///」
にっこり笑って言うと、部室にいるみんなに一斉に驚かれた。
あれ、また変なこと言ったかな?