第6章 恐怖の期末テスト。
帰りのホームルームにて。
担任からテストを返却されました!
『月島くん点数、点数っ!』
「ハイハイ。もう仕舞っちゃったし、部室に行ってからね」
『はーい。山口くーん行こー』
「う、うん…」
月島くんは相変わらず雑に扱ってくるけど、構うもんか。形勢逆転してやるんだからね!
部室に行くと、みんな揃っていた。どうやら私たちが最後だったみたい。それはいいんだけど、気になることが一つ。
『ねぇ…なんでそこの二人は人生の終わりみたいな顔してるの?』
そう、翔ちゃんと影山くんがそれはもう、絶望的な顔をしていたから。
「アカリ…ごめん、おれ…」
一つだけ、赤点とっちゃった…と、翔ちゃんは消え入りそうな声で呟いた。
「実は…俺も…」
『うっ、そでしょぉ…』
赤点、まさかの赤点。あんなに頑張ってたのに…
がっくり項垂れる二人は、意気消沈かと思いきや、額をくっつけてこそこそと作戦会議を始めた。
「どうする…」
「チャリだろ」
「まあまあ、二人とも赤点は一教科だけだろ?それなら午前には補習は終わるはずだ」
どうにかして東京に行きたい二人に救世主が舞い降りた。その名は、菅原孝史。
「「スガさん!」」
「そしたら俺が救世主を呼んでやる!」
そう言って田中先輩も励ましてくれた。助けてくれるのはとっても嬉しい、それにしても田中先輩の言う"救世主"って、一体誰のことなんだろう。
「なぁ、アカリは月島に勝ったの?」
『あ、忘れてたや』
なんのために我慢してたんだっての。
「よし、二人ともせーのでテストを出せよ、いいな?」
『はいっ!』
「…ハイ」
大地さんが声をかけ、全員の視線がテーブルに集まる。今回のテスト、実は結構高記録だったりするから、自信はある。
「せーのっ」