第1章 プロローグ。
「朱里マネージャーやんのか!?」
『え、ここに来たときからそのつもりだったんだけど…』
驚く影山くんに首を傾げてダメ?と訊くと真っ赤な顔で首を横に振られた。そんな勢いで首振ったらとれそうだけど。
『だからね、主将さんに会いたいんだけどまだ来てないみたいだったから待ってるの。でも話してばっかりじゃアレだから2対2でもやってよ!せっかくネットも張ってあるし』
「よっし!アカリに成長した俺見せてやるかんな!」
両手を上げて頑張るぞー!と意気込む翔ちゃんを私は何だかお姉ちゃんになった気分で見ていた。
チームは翔ちゃん&影山くんvs月島くん&山口くんのペアでやることになった。まあ予想はしてたチーム分けなんだけどね。
最初のサーブは影山くんから。
『影山くんナイッサー!』
声援を送ると影山くんはこっちを向いて不敵に笑った。どんなサーブを見せてくれるんだろう。
影山くんはタンタンッとボールを床に打ち付けて感触を確かめ、高くトスを上げて鋭いサーブを打った。
打たれたサーブは月島くんと山口くんが触ることなくコートに落ちた。それは紛れもなくサービスエースだった。
「ッシャ!どうだった、俺のサーブ?」
『一言でスゴい、あの威力にコントロールがばっちりだったら本当に敵無しだね!』
「アザっす!」
笑った影山くんは爽やかな顔をしていた。