第6章 恐怖の期末テスト。
「もう一回訊くぞ、何してるんだ」
『…影山くんの髪をいじってました。スミマセン、殺さないでください…』
「ボゲェ、誰が殺すか!」
『あだっ!』
私の手を放した影山くんに、思いっきりデコピンされた。結構痛い。影山くんはがしがしと頭を掻いて、時間を訊いてきた。
「今何時だ?」
『午前七時を過ぎたところ』
「んじゃ起きるか」
『うん』
影山くんはくあっと大きな口を開けて欠伸をした。私もつられてふわぁと欠伸。今知ったんだけど、欠伸って本当に人に移るんだ。
よっと起き上がった影山くんは、寝癖が付いて、髪がぴょいんと跳ねていた。
『ふふふ、影山くんの髪跳ねてる…』
「げ、マジかよ…」
『ほら、この辺』
一ヶ所だけ他とは見当違いな方向に跳ねてるのがあったので、つんつんつっついてみた。
「ぐっもーにん、少年少女たち!」
「『あ…』」
突如としてドアをばーんと開けて現れたのは兄さん。タイミング悪すぎ…
私は影山くんの頭に手を載せた状態でフリーズ、影山くんは兄さんに目を丸くしてフリーズ。そして、兄さんはニヤリと怪しく笑うと一歩下がって礼をした。
「わぉ、お取り込み中失礼失礼…」
『ちょい待って!』
退室しようとした兄さんを、寸でのところで確保する。十中八九変な誤解してるよ。
「飛雄くん、君やるねぇ…!」
「なっ///違います、俺そんなことしてな…」
「ん?俺はな~んにも言ってないけど?」
「それは…っ///」
『やめんかっ!』
「っで!」
兄さんが意地悪く影山くんで遊んでいるので、牽制しておこう。兄さんの頭に手刀を食らわせた。
『兄さん、変な誤解はしないで。影山くんの髪に寝癖が付いてるから教えてあげてただけで、私たちなにもしてないから』
「ナニも?」
『…ぶっ殺すよ?』
「ご、ゴメンナサイ…」
くそ変態エロジジィめ…