第6章 恐怖の期末テスト。
昨日の夜、果たして何があったんだ…
今の時刻は午前七時。
何かあったような…なかったような…
あったような…あっ、あったじゃん。
雷、そうだよ雷だよ!
明け方、すごい荒れてたんだよ。今は幸いにして天気は落ち着いてるけど、あのときはすごかったんだよ。
ピカピカ光るし、ゴロゴロ煩いし。どっかのネズミ型モンスターか←
その後どうなったんだっけ?
たしか、影山くんが…
私を…
抱きしめて…
だ、抱きっ///
そっか、それでこの状況か。
なるほど、つまりどちらにとっても不可抗力ってことか。
熟睡しているところを起こすのはなんだか悪いので、背中に回る腕をそっとよけた。
じゃあ私、影山くんの胸にすがって寝てたんだ…うわ、恥ずかしい///
起き上がって、ずれた布団を影山くんにかけ直した。すやすやと眠るその顔は、いつもより数段子供っぽく見えた。
『なんか、かわいいかも…』
スマホは…と、ベッドだった。四つん這いになってスマホを取り、当たり前のようにカメラを起動。シャッター音をオフに設定してからパシャリ。角度を変えて、もう一枚。
起きなさそうだし、ちょっと遊ぼっかな~♪
前髪よけてみよ。
「うぅ…ん……」
影山くんくすぐったそうに顔をしかめた。
『起きない…よね?』
前から一度、試したいことがあった。影山くんの髪、サラッサラなんだよなぁ…
影山くんの横に正座して手を伸ばす。ふわり、と髪に触れた。思った通り、サラッサラだった。
これ、クセになりそう…
もう少し、と欲張ったのがいけなかった。
「…オイ」
『ひゃあっ!』
影山くんの怒気を含んだ声が聞こえたと同時に、髪に触れていた右手の手首をがっちり掴まれた。
「何してるんだ…」
ヤバい…
めっちゃ怒ってる…!