第6章 恐怖の期末テスト。
ガチャリとドアを開けると、テレビの前に三人が座り込んでいる。何をしているのかと覗いてみれば、テレビゲーム。最近人気のイカがペンキをぶちまけて陣地合戦するやつ。
『君たち、何してるのかな?』
「「「げっ…!」」」
『"げっ"てなによ。さ、勉強しますよ』
渋々といった様子で座る三人。おもちゃを取られた小さい子みたい。時計を見ると、11時だった。一時間くらい寝てたみたい。
翔ちゃんと影山くんはやり出すまではぶつぶつ文句を言っていたけど、一旦手をつけると集中して取り組んでいた。
「…朱里、これってなんでだ」
『どこ?』
手元を見ると、影山くんが苦戦しているのは英語の文法だった。
『ここにbe動詞を入れて動詞の過去分詞をつけて、受動態にすると…』
「そっか、解けた」
『よかった』
「っおう///」
にっこり笑うと、影山くんは顔をちょっと赤くして頷いた。それから翔ちゃんの質問にいくつか答えたりしていたら、一時間が過ぎていた。
兄さんがオツカレーカツカレー!と意味不明なことを言いながらアイスを持ってきた。カップアイスが四つあってバニラにチョコ、それとイチゴと抹茶。
『私は抹茶~』
「おれチョコがいい!」
「バニラ…」
「じゃあ俺はイチゴだな」
みんなで食べるアイスは、いつもよりちょっぴり美味しく感じた。