第5章 日常②。
本屋さんを後にした私たちは、帰り道を歩いていた。時刻は5時。本屋さんの後ゲームセンターに行ったり、駅前でウィンドウショッピングをしたりと、休日を満喫した。
『今日は楽しかったね』
「だな」
『明日からはまた部活三昧かぁ』
「好きだからいいけどな」
『私も好き、バレーしてるときの影山くん』
「っ///」
(好きって、どういう…)
『翔ちゃんとか生き生きしてるしね』
「…おう」
(そういうことかよ…)
影山くん、声のトーンが上がったり下がったりしてる。どうしたんだろう?影山くんは昨日と同じように、マンションまで送ってくれた。
『ありがとう、助かりました』
「次もいいからな」
『何が?』
「だから!月島とかじゃなくて、その、俺を頼れよな!」
『う、うんっ///』
「じゃーな」
『また明日ね』
こうして影山くんとのお出掛けは幕を閉じたのでした。
そして翌日。
『翔ちゃん、誕生日おめでとう!』
「アカリサンキューっ!!!」
「日向、今日が誕生日なのか!」
「おめでとう」
「アザーッス!」
私がおめでとうを言うと、田中先輩とスガさんもお祝いしてくれた。翔ちゃんは二人に向かって、何度もお礼を言っている。
『翔ちゃん、これプレゼントね』
「うお、なんだろ!?」
翔ちゃんは待ちきれずにその場でラッピングを開けている。中から出てきたタオルを見ると、おおっと感嘆の声を上げた。
「スゲー、カッケー!」
『そのタオルなんだけどね、影山くんが選ぶの手伝ってくれたんだよ?』
「え、影山が?」
翔ちゃんは心底驚いたような顔をした後、何を思ったのか、ニカッと笑った。
「じゃあ影山にもお礼言わなきゃですな!」
『そうですな』
その後、翔ちゃんが影山くんに本当にお礼を言ったのかは知らない。でも、きっと伝えたんだろうな。翔ちゃんってそういうところ真っ直ぐだから。
そうして翔ちゃんの誕生日が過ぎていきましたとさ。
*nextpage おまけ