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名もなき恋物語【ONE PIECE】

第12章 溺れる体温【裏有り】


貴)「あっぁっ、やっ
やら、ろぉ、ろぉ…!」

頭の中は真っ白。

何も考えられない。

馬鹿になったみたいに喘いで。

わけもわからず涙が零れる。


貴)「ひぅっ、あ、ろぉ、

きす、っして…」


手を伸ばして、求める。

ぽろぽろと零れる涙。

どこか余裕のないローの顔が近づいて、

唇を重ねて。

お互いの熱を絡めれば、

また涙が零れてくる。

ロー、ロー。

嬉しい。

貴方の温もりが、これ程なく嬉しい。

でも、何でだろう。

涙が止まらない。

嬉しくて零れる涙の底で、

貴方との熱で浮かされて零れる涙の底で、

とても後ろめたい程冷たくて悲しい涙が溢れる。

感情全てが混ざり合って、

零れる涙が瞳を濡らして、

そんな霞んだ視界を利用して。

私はローに重ねて、

誰と繋がっているんだろう。

ロ)「おい」

私を呼ぶローの声。

見えない。

涙で濡れる瞳に、ローが映らない。

するとローが目にキスをしてくれて、

涙をとってくれた。


ロ)「俺だけを見てろ」


力強く抱きしめられて、耳元で告げられた言葉。

きっとこれもローの能力だ。

能力じゃないなら、視界が、

心が。

こんなにも和らぐことはない。

自然と零れる涙が、

自然と零れる笑みに代わった。

貴)「ふふ…そんなに抱きしめたら見えないよ、ロー…」

私の言葉を聞いて僅かに微笑んだローは首元から離れて、鼻先が触れるぎりぎりまで顔をもってきた。

ロ)「ここならよく見れるだろ」

その言葉を合図にまた動き始める。

溢れる快感に声を鳴らし、

甘い息を零して。

ローの腕の中で絶頂に達した。

これが幸せじゃないなら、なんて言うんだろう。

意識が朦朧としていく中、





言い聞かせるように自分に尋ねた。




ロ)「やっぱり、火拳屋とはもうヤったんだな。」

眠るクレアを見て、

ローは先程と同じ言葉を呟いた。

どことなく悲しそうな表情だったが、それを無視するように横になると

クレアを優しく抱きしめて眠りについた。

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