第11章 終わりと始まり
シ)「…そん…の…」
話を聞いて顔を顰めたシャチは勢い良く立ち上がる。
シ)「そんなの、クレアちゃんが可哀想だろ!
何をしたかわかってんのか?!
散々酷いことしたのに、これ以上…!」
ペ)「わかってねぇのはお前の方だ、シャチ。
俺たちの状況をどれだけ甘く見てんのかは知らねぇが、今回の作戦はこんなとこで躓いてる場合じゃない。
…それにクレアちゃんの為でもある。
それは船長からも聞いただろ。」
苦い顔でそう言い放つと何も言い返さないシャチから視線を外し、ペンギンは再び室内を見渡し、船長から聞かされた話の続きを話し出した。
……………………………
ペ)「……薬の効果は繊細だ。
話が食い違ったり少しでもズレると効果が切れる可能性が高い。
絶対に白ひげ達や赤髪、火拳の話をするな。新聞や手配書も見せたらそこで効果は消える。
わかってると思うが、俺たちは“今”四皇の二つを敵に回してる。
見張りや島での行動一つ一つに注意しろ。」
ペ)「作戦期間は長い。
だが作戦自体は一つのボロで崩れるほど脆い。
…常に気を引き締めろ。
以上だ。」
~浴室前~
大きいサイズのクルー服を着てタオルで髪を拭きながら浴室を出る。
貴)「ふー…さっぱりした!」
ロ)「ならよかった」
独り言のつもりが浴室前の壁に凭れかかっていたローに返事をされ驚くも少ししたら自然に頬が緩んだ。
ロ)「部屋に案内する、ついてこい」
短く言われた言葉。
ついてこい、なんて言われたけど歩幅は私に合わせてくれて。
なんだかんだでこの人は優しいんだ。