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名もなき恋物語【ONE PIECE】

第6章 前方注意


シ)「寂しい思いをさせてごめんな…

鳩だってちゃんと届いた。

手紙も読んだ。

だが母さんとの約束破るのが怖くて戻れなかった…!

クレアが1人になることくらいわかってたのに…最後まで、母さんに嫌われたくなかったんだ……

本当にすまない……!!」

頬を伝う、私の涙と同じ体温が、

私の肩の肌にも流れる。

わかってたのに、

わかってたのに、

お父さんがお母さんを、世界で1番愛していること。


でも、私の側にいてくれる人がいなくなっちゃうのが嫌で、

理由がないのが嫌で、

お父さんのせいにしていた。

お母さんのことを思って、出港を遅らせたのも、

お母さんとの約束を思って、引き返せなかったのも、

全部全部、わかってたことなのに。


シ)「でも、わかってほしい。

母さんも好きでお前を置いて行ったわけじゃないことを。

クレアは、俺と母さんに愛されて産まれたことを。



…ずっと、俺達が愛してることも」

そう言うと、お父さんの顔が近づいてくる。

エ)「おい!!!

ちょっと待った、何どさくさに紛れてキスしようとしてるんだよ!!!!」

シ)「いいだろ?!

今までの分クレアに愛を与えさせろ!!!

それに俺はまだお前を彼氏と認めたわけじゃねぇぞ!!!!」

急に始まった喧嘩に、あまりに突飛すぎて、涙が引っ込む。

次第に周りの雰囲気も晴れて、船上は笑い声に包まれた。


…暖かい。

私は、一人じゃなかったんだ。

お父さんとお母さんに愛されて産まれたんだ。

今も、愛されてるのか。

そっか、









……そっか。
















…………嬉しいな
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