第1章 時代を覆せ
~海軍本部~
海軍の服を着た男がきょろきょろと忙しなく辺りを見渡しながら海軍本部の廊下を歩いている。
?)「そこのお前さん。何してんの?」
「はっ!大佐に頼まれた物を探しています!」
突然声をかけられるとビシッと背筋を伸ばし、敬礼と共に返事をする。
?)「頼まれ物…?誰に、何を頼まれたんだ?」
一瞬の間があったが、すぐに海兵は口を開いた。
「青キジさんにポートガス・D・エースの鍵を、と」
海兵の答えに相手は頭をかくとため息をついた。
?)「あらら…
青キジさんは大佐じゃなくて大将だよ。
見ない顔だけど、新人?」
「も、申し訳ありません…!
はっ!自分、つい先日入隊したばかりで…」
海兵は、申し訳なさそうに頭を下げるもそのまま「それでは」と言い、相手に背を向けて廊下を歩き始めた。
?)「ああ、
言い忘れてたけど…覚えといてよぉ新人さん?」
青)「大将青キジさんとは俺のことだ」
その言葉に海兵は後ろを振り返るが既に廊下一面に氷が張られていた。
?)「!
あーあ…とんだハズレくじ引いちまったよ…」
海兵姿の青年は床ごと足を凍らされる前に宙に浮き、竜巻で出来た無数の“刃”を青キジに向けて放つ。
青キジは迫ってくる刃を1mmたりとも動くことなく喰らい、顔や身体の1部が砕けるがすぐにパキパキと再生を始めた。
青)「あらら…風の能力者か?
悪いけど俺には効かない攻げ……ってどこいった?」
目が再生した頃にはもう青年の姿はなく。
青キジはまた頭をかいてでんでん虫を取り出した。
青)「ったく…この非常時に警備はどうなってんだか…
ここに近い警備担当してんの誰だ…って俺か。
ならまあ、アレだ。しょうがないな。
…あ、センゴクさん?
実は…えーと…アレ、ホラ。
______忘れました、もういいや」
青キジはコール音が鳴り終わり、相手に繋がると同時に内容を忘れたのか、一方的にセンゴクの通信を切ると外に向かってまた廊下を歩き始め出した。
?)「なんだあいつ…バカなのか…?
まあいいか、鍵探さねぇと…」
その様子を影から見ていた青年はまたきょろきょろと辺りを見渡しながら建物内を走る。
………鍵は、女帝、ボア・ハンコックが持っているとも知らずに。