第15章 けんもほろろ
ロ)「…無駄だって言ってんだろ。
確かに一昨日の“あの時”に火拳屋に“万物寄進”をかけれていたら間に合っただろうが…
“あの時”いた場所から船を飛び出して、お前はどうやって目的地へ目指す?
自分がいた場所も戦いが起きた方向もわからなかったお前が。」
貴)「…!」
ロ)「…あの時いた場所から戦いが起きた場所までうちの船で1週間。
例えお前の風の能力でも3日以上かかった。
4日も経てばお前の能力でもその究極の技でも間に合わねぇだろ。」
何も言い返せず、ただぐっと喉を鳴らした。
部屋が静かになったところで船のモーター音がゆっくりになり、音が響く。
ロ)「……もういいな。
ペンギン、出るぞ。
仕事組集めて準備しろ。」
ぺ)「了解」
淡々とした様子でローは背を向け、ペンギンさんと部屋を出た。
私は何も言えないまま。
悔しいのに、泣くことしか出来なかった。