第15章 けんもほろろ
〜数分前、ロー部屋〜
船長の部屋の扉をノックして、
許可を貰ったから部屋に入る。
ロ)「どうした」
機嫌の悪そうな目の下には隈。
きっと昨日も寝れなかったんだろう。
シ)「船長、クレアちゃんが目を覚ましました」
俺の言葉にぴくりと反応を見せる。
ロ)「…様子は」
シ)「意識はありますが何も話しません」
俺の言葉に船長は時計を確認すると椅子から立ち上がった。
ロ)「島に着くまで何分ある」
部屋を出て行く背中を追う。
シ)「40分程かと」
ロ)「…十分だ」
そう言うと船長はクレアちゃんがいる部屋に入った。
ロ)「…起きたか」
俺やペンギンと同じ様な言葉は、多分素直に口から出た言葉だと思う。
少しほっとした様な、安堵の息がこもった言葉。
何も言わないクレアちゃんを見下ろす様に船長は前に立つ。
ロ)「話をしに来た。
手短に話そう。」
ロ)「何故お前を攫ったかだ、与奪屋」