第15章 けんもほろろ
海楼石の錠が付けられた腕は重くて。
ずっとベットに沈んでいた。
気を失って、何時間経ったのかはわからない。
正直、夢だと思いたかった。
でも、起きて、腕に付けられた錠を見て。
息苦しい猿轡を噛んで。
夢であることは許されなくなった。
最近のはずなのに随分と懐かしい部屋にいる。
“本当に”初めてこの船に来た時寝ていた部屋だった。
貴(……余ってる部屋あるじゃんか)
嘘つき。
ローも、シャチさんもペンギンさんもベポ君も皆皆、
どいつもこいつも!!!
嘘つきだ………!!!
猿轡を取ってくれるシャチさんを見ないまま。
何も視界に入れないまま。
何かを考える度、呼吸が苦しくなるだけで。
シ)「ん、息苦しかったよね。
大丈夫?」
嗚呼、
大変息苦しい。