第14章 充溢が生む空白
モーターが動き出す音を聞いて能力を使い風になる。
一番近い、先程入ってきた扉を目指して廊下を駆け抜ける。
…つもりが。
貴)「うっ……!!!」
簡単に、ローに押さえつけられる。
見えないけど、多分海楼石か何かで押さえられているせいか能力は使えない。
貴)「離して…!!
た、すけ…いか、ないと…!!私のせいで…!」
ロ)「おい、落ち着け!」
力の入らない腕で必死にもがく。
腕を必死に動かして、逃れたいと。
逃れようと。
離して、行かないと。
この能力が、
この命が、あるなら。
今ならまだ、治せるかもしれない。
もう一度、生き返らせ_______
ロ)「無理だ!!!」